あらすじ
読者の皆さまからご好評いただいておりますブラック・ジャック図解シリーズ始まります!このシリーズでは手塚治虫先生の名作『ブラック・ジャック』から、現代に生きる私たちも学ぶべきことがあるのでは?!というシリーズです。さて、今回はミステリーの要素も含まれるお話の『針』を図解・解説します。
ある病院で山野田先生と偶然の再会を果たすブラック・ジャック。そこで山野田先生より「人間のからだをあなどっちゃいかん、あなどってかかると・・・きっとしっぺ返しをくらうぞ」と忠告を受ける。
患者の手術に成功するブラック・ジャックだったが、直後に地震が起こる。その振動により、点滴の注射針が折れて患者の体内に残ってしまう。しかもその針は大動脈に入り込んで、体中を移動してしまうという。
もし針が心臓に届いてしまえば、心臓のカベを突き刺し、弁を傷つけてしまう。さらに、もし、心臓を無事通り抜けても、針が肺にまで到達してしまえば、肺の中をつつきまわし、大出血を起こしてしまうかもしれない・・・
心臓に到達する前に針を摘出する手術を開始するブラック・ジャック。しかし、無常にも針は摘出ポイントを通過してしまう。急遽方針転換して針の現在地を探すブラック・ジャック。果たして針は摘出できるのか、患者の命は助かるのか、そして山野田先生の言葉の意味とは・・・
ブラック・ジャックに学ぶ
さて、やはり今回のお話のポイントは山野田先生がブラック・ジャックに投げた言葉「人間のからだをあなどっちゃいかん、あなどってかかると・・・きっとしっぺ返しをくらうぞ」でしょう。手術に関して絶対の自信を持っているブラック・ジャックですが、人間の体の神秘には触れられない。、決して医者がどうこうできる部分ばかりではないという山野田先生の教えですが、ここから私たちも学ぶべきことがありそうですね!
平たく言えば「なめたらあかん」なんですが、それだとありきたりの格言過ぎてつまらないので深堀してみましょう。まず、山野田先生の言葉の伝えたいポイントは2つにわけることができます。
①人間の体にはわからないことが多いこと
②過信は自己成長を妨げる
①について、ブラック・ジャックでは人間の体がテーマでしたが、私たちの世界では「経済」や「技術」、「感性」などが不明確なポイントとなりそうです。たとえば「VUCA」です。変動して、不確実で、複雑で、曖昧な世界です。ビジネスの場で未来を精緻に予測することはほぼ不可能です。多様化された価値観の上で、量的評価が以前の大量生産・大量消費の時代のように意味をなさなくなりつつありますね。
②について、これはそのまま私たちの教訓として活かせそうです。さきほど説明したVUCAワールドでは”わかったつもり”になってしまうことが最も危険です。多様性が認められる社会ではマスの意見ではなく、個人の意見、言い換えれば人間中心の考え方が重要な思考になります。この点、人間中心の考え方はデザイン思考に代表されます。
常に市場を満たすことに満足するのではなく、個人の感性にどれだけより添えているかを定量的・定性的に評価し検証することを、慢心するのではなく、絶えず繰り返すことがポイントです。
※VUCAワールドについては過去記事『VUCAワールド』をご参照ください♪
今回のお話『針』のポイントをまとめます。
①人間の体にはわからないことが多いこと
⇒VUCAワールド
②過信は自己成長を妨げる
⇒人間中心の思考法で、評価・検証を繰り返す
思い込みや概念といった人間の思考は判断を高速化し、非常に重要な機能ですが、時には”バイアス”として柔軟な思考を邪魔する時があります。あなたはブラック・ジャックのように臨機応変な立ち回りができますか?
『針』収録誌
秋田書店 文庫本ブラック・ジャック 第2巻
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ではまた!